【Hearthstone】大会で勝つために【中級者~上級者向け】

こんにちは。Ke1です。

 

最初に注意しておきますが、この記事は大会に興味がある中級者以上のプレイヤーに向けて書かれた記事です。中級者の定義は難しいのですがここではラダーでRank5相当以上の実力がある者としておきます。始めたばかりの初心者の方が読んでもさっぱり分からないと思いますのでご了承ください。

 

さてBlizzCon 2016が終わり、BlizzCon 2017に向けて新シーズンが幕を開けました。BlizzConに出場するためには一定以上のHCTポイントが必要になります。詳細は未発表ですが、HCTポイントは毎月のラダーの順位またはポイント付き大会での戦績に応じて付与されると予想されます。

ラダーのポイントだけでは基準を満たさない可能性がある現状では、BlizzCon出場を目指すプレイヤーにとっては大会での上位入賞は避けては通れない道になる可能性が高いです。またBlizzConまでは目指していないプレイヤーでも、大会に出場するからには出来るだけ上位まで勝ち進みたいという気持ちが生まれてくるのは当然のことです。

 

そこで、大会を勝ち抜くための考え方を自分なりにまとめてみようというのがこれを執筆するに至った経緯であり本記事の目的です。特定のデッキについて解説する所謂デッキガイドはよく目にするのですが、大会に向けての準備やプレイング以外の立ち回りに関する記事は少ないように感じるというのも筆を執ったきっかけの一つです。

 

著者自身この記事に書かれたことが全て正しいとは一切考えておりませんし、自分の意見と相違があれば是非コメントを残していただけると嬉しいです。

 

 

前置きが少し長くなりましたが本題に入ります。

 

 

〈目次〉

【1】大会のルールと形式 ~最低限知っておきたい~

【2】デッキの構成 ~ラダーとは違う~

1.BANを決めよう

2.仮想敵を決めよう

3.強いデッキを持ち込もう

4.実際に組んでみよう

5.デッキをいじってみよう

【3】ヒーローの当て方 ~高度な読み合いの末のジャンケン~

1.相手の構成を予想しよう

2.出す順番を決めよう

 

 

【1】大会のルールと形式 ~最低限知っておきたい~

ここでの大会とは、ほとんどがデッキ非公開制のオンライン大会を指します。日本では小規模なものも含めれば、大会はほぼ毎日開催されています。

大会のルールとして現在主に採用されているのはコンクエスト方式とLHS方式の2つですが、BlizzConを始めとする大規模な大会ではコンクエスト方式が主流なので、本記事ではこちらに焦点を当てていきます。

またコンクエスト方式と言ってもBANの有無、持ち込むヒーローの数、何本先取か、など様々なルールが存在します。ここでは最もよく見られる形式である4HERO1BANのBo5で考えていきます。これは基本的でありながら極めて難しいルールなので、このルールでの考え方を理解しておけば他のルールになったときにも応用が利くと思います。

 

 

【2】デッキの構成 ~ラダーとは違う~

適当に選んだデッキを持ち込んで勝ち進めるほど大会は甘くありません(勝てることもありますが)。対戦相手が何かしらの意図を持ってデッキを持ち込んでいる以上、こちらもそれに対抗し得るだけの戦略が必要です。

 

 

1.BANを決めよう

BAN対象の候補として一番に挙げられるのは、現環境で最もデッキパワーが高く持ち込まれる可能性が高いデッキです。今現在ではミッドレンジシャーマンがそれにあたります。最近のBAN有大会では毎回決まって互いにシャーマンをBANするのでシャーマンが戦っている姿を見る機会がほとんどなかった程です。特に変わった意図がなければシャーマンをBANしておくのが無難と言えます。

もう一つは予め持ち込むデッキの構想がある場合に、そのデッキが圧倒的に不利な相手をBANするというものです。有名な例はフリーズメイジを持ち込むと決めている場合にウォリアーをBANするというものです。フリーズメイジをウォリアーに当ててしまいそれがもしコントロールウォリアーだった場合、ゲームが始まった瞬間に1ゲーム落とすようなものです。1ゲームはとても重要なので、そのような事態は避けなければなりません。このように絶望的な相性のヒーローをBANすることによって特定のデッキを通しやすくしてマッチを有利に運ぶことを狙う場合はこちらの方法を取ります。

またもしBAN対象がいなかった場合に何をBANするのかという想定もある程度しておく必要があります。

 

 

2.仮想敵を決めよう

BANを決めた後は仮想敵を決めます。仮想敵というのは少し強い言い方で意識するデッキ程度の意味です。ここでいう仮想敵とは相手の構成に含まれていれば3タテさえ狙うことができるデッキを指します。仮想敵の対象にしたいのは当然持ち込まれる可能性が高いデッキです。有利不利がはっきりしたデッキであるほど構成をいじりやすくなるので好ましいです。よく挙げられる例はコントロールウォリアーでしょうか。コントロールウォリアーに圧倒的に強い構成にしたい場合は、トークン型のドルイド、レノロック、ミラクルローグ、鯛罪パラディンなどを持ち込めばよいでしょう。

ここで注意したいのは、相手の構成に仮想敵が含まれていない場合はそのマッチに勝利できる可能性が格段に低くなるということです。ヤマを張ることによるリスクとそれによるリターンがどれほどのものかをよく考えて組む必要があります。

全体のデッキパワーの低下を最小限に抑えながら仮想敵を決める中間択としては、デッキの中身を数枚入れ替えるという方法が現実的です。この方法では不利を微不利に、微不利を五分に、五分を微有利にすることが可能です。これに関しては後述します。

 

 

3.強いデッキを持ち込もう

4HERO1BANのBo5という形式上、自分の全てのヒーローがそれぞれ1勝しなければマッチに勝利できません。そのためプリーストとかいう貧弱なヒーローを持ち込むことはすごく勇気のいる行動です。TempostormのTier表はラダー準拠ではありますがTier上位は大会でも力を発揮できるデッキパワーをもっていますし、あるいは最近の大会で結果を残したデッキを参考にするのもよいと思います。

また使い慣れたデッキというのも選択肢としては大いにアリです。無理に使い慣れていないデッキを持ち込むよりは、自信をもってプレイできるはずです。

 

※説明の都合上便宜的に1~3としましたが、書かれた順序で考える必要はありません。

 

 

4.実際に組んでみよう

いよいよ実践に移ります。飽くまで一例として捉えてください。

まずシャーマンはやはり脅威なのでBAN確定です。自分が持ち込むのも確定です。この時点で、自分のシャーマンもBANされる可能性が高いことも頭の片隅に置いておきます。もう一つくらい持ち込むデッキを決めたいところですね。デッキパワーの観点でマリゴスドルイドを選びましょう。

次に仮想敵を決めます。ここまでの2つでコントロールウォリアーは見れそうです。ただコントロールウォリアーと必ず当たるとは言いづらいので他の仮想敵も考えます。持ち込まれる可能性が高いのはシャーマンとウォリアーを除くとマリゴスドルイド、テンポメイジ、ズーロック、ハンターあたりでしょうか。この中ではマリゴスドルイドの採用率が一つ抜けているので今回はそれにします。

さて仮想敵が決まったので残りの2つのヒーローを決めましょう。ここで仮想敵を意識しすぎてデッキパワーを極端に落とさないように注意します。相性の関係でウォリアーやズーロックは少し選びづらいです。ここではデッキをいじれば五分以上が取れそうなテンポメイジとミッドレンジハンターを選びます。

 

 

5.デッキをいじってみよう

ここまでで決めたことを整理してみます。

 

持ち込むデッキ:ミッドレンジシャーマン、マリゴスドルイド、テンポメイジ、ミッドレンジハンター

BAN:シャーマン

仮想敵:コントロールウォリアー、マリゴスドルイド

 

ここまで決めたからラダーで使っているデッキをそのまま持ち込めばいいかというと答えは否です。せっかくBANと仮想敵を決めたのでそれに合わせてデッキに手を加えていくことで、相性を多少変えることができます。

 

4つのデッキをラダー仕様で用意したのが以下の4つです。ラダーではどのデッキに当たるか分からないので、広く浅く対策するようなデッキになります。これが大会となると話は変わり、ラダーよりも狭く深く対策できるようになります。BANや仮想敵に応じて不要なカードを抜き必要なカードを入れるのがこのフェイズです。

 

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まずはシャーマンについて考えます。シャーマンミラーが起こらないということ、ウォリアーとドルイド相手にAoEを打つ機会が少ないことを考慮してライトニングストームを1枚抜きます。ハリソンジョーンズもミラーがなくなることで出す機会がかなり減るので抜いていいでしょう。代わりに入れるカードの候補として、コントロールウォリアー相手にバーストダメージを出したいので血の渇きを1枚入れます。またドルイドに対してはスタッツの高い炎まとう無貌のものが有効なのでこれを1枚入れます。

 

次にドルイドです。コントロールウォリアーにはもともと微有利なのですが、ドルイドミラーが不安なのでそこを意識します。バロンゲドンはシャーマンを強く意識したカードなので抜きます。妖獣の激昂も打ちたい相手が減るので1枚抜きます。ミラーに強くするカードとしてマルチが有力です。これは相手の巨人やラグナロス、マリゴスなどスタッツが高い強力なミニオンに対する解答となります。またシルヴァナス・ウィンドランナーを入れるのもよい選択肢です。これによって相手が強力なミニオンを動かしづらくなります。

 

メイジについても考えましょう。シャーマン同様AoEを打つ機会が減るのでフレイムストライクを思い切って抜きます。序盤に呪文ダメージ+1と魔力の炸裂で4点出す動きもあまり必要ないのでカルトのソーサラーを抜きます。空いた枠には遅いデッキに対するリソース不足が少し気になるのでカバル教団の魔導書を入れます。あとはスタッツの高いミニオンや強力な断末魔持ちに対する万能な除去として動物変身を入れます。

 

最後にハンターです。仮想敵を考えると横の展開より縦の展開の方が強力なので猟犬を放てを抜いて必殺の一矢をもう一枚加えます。

 

 

以上の変更を踏まえて組みなおしたのがこちらです。これでデッキがより大会仕様になったと思います。

 

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【3】ヒーローの当て方 ~高度な読み合いの末のジャンケン~

最後にヒーローの当て方についてお話しします。といっても副題にある通りジャンケンの側面があるのでこれが正しいとはっきり言うことはできません。

 

1.相手の構成を予想しよう

試合が始まる前に相手の構成が少しでもわかっていれば、戦う上で大きなアドバンテージとなるのは間違いありません。相手のヒーローやBANから相手の構成の意図を汲み取れるとよいです。

例を挙げます。

自分:シャーマン、ドルイドウォーロック、ウォリアー

相手:メイジ、ハンター、ウォリアー、プリースト

ここで相手がシャーマンではなく、ウォリアーをBANしてきたとします。これによって、相手はシャーマンをメタった構成なのではないかと推測できます。メイジがフリーズ、ハンターがフェイス、ウォリアーがドラゴン、プリーストがンゾスの可能性が通常よりも高くなるでしょう。このように戦う前にある程度検討をつけておくことは試合を有利に運ぶことに繋がります。

あまり有力な手掛かりがない場合は、デッキパワーが高く使用率が高いデッキと想定しておくと良いです。

 

 

2.出す順番を決めよう

折角なので、先ほど決めたデッキで考えてみましょう。相手は実際にありそうな構成を適当に選んでいます。

自分:ミッドレンジシャーマン、マリゴスドルイド、テンポメイジ、ミッドレンジハンター

相手:シャーマン、ドルイド、ハンター、ローグ

こちらは狙い通りシャーマンをBANしてドルイドには負けないようにします。相手もシャーマンをBANしてきました。残ったヒーローはこちら。

自分:マリゴスドルイド、テンポメイジ、ミッドレンジハンター

相手:ドルイド、ハンター、ローグ

ここでそれぞれのヒーローの相性を考えます。相手のデッキですが、全体的にコントロールウォリアーに強そうな構成なのでデッキもそれに寄っている可能性を考えておきます。

 

ここからは自分の方法になるのですが、有利不利の関係を数字で表します。

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縦が自分のデッキ、横が相手のデッキです。

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ここで問題になるのはどのヒーローから出すべきかということです。一番弱いカードはドルイド、強いカードはメイジ、ハンターです。この場合はどちらのカードから切っても構わないというのが著者の考えです。なぜなら相手にドルイドという仮想敵がおり、それを3タテすれば勝利できるプランがあるからです。

 

他の例を考えてみます。仮想敵がいない場合です。

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強いカードは順にメイジ、ハンター、ドルイドです。ここで一番に切りたいカードはドルイドです。なぜならドルイドが五分以上を取れる相手がメイジしかおらず、メイジやハンターを投げてもしメイジに負けた場合、マッチに勝利できる可能性が大きく下がるからです。とはいえドルイドを投げ続けるのも必ずしも良策ではありません。0-2でメイジに勝ったとして今度はハンターでメイジを倒すのが厳しいからです。

 

このようにヒーローの当て方に正解はありませんが、強いカードから切る方法と弱いカードから切る方法のメリットとデメリットを考えてみます。

強いカードから切る場合

○勝てば相手のデッキタイプが分かるので全体的に少し相性有利になる

×弱いカードで勝てる相手がいなくなる可能性がある(構成次第)

弱いカードから切る場合

○弱いカードを確実に五分以上のデッキに当てられる(構成次第)

×負けると自分のデッキタイプがばれるので全体的に少し相性不利になる

 

結論としては何から切るかというのは好みや経験によると思いますので、これ以上の説明は難しいです。

 

 

 

最後に、先にも述べましたがこれはデッキ選択やヒーローの当て方の個人的な考えですので必ずしも正しいとは限りません。持論があれば私も参考にしたいのでコメント等お願いします。ここまで読んでいただきありがとうございました。